劇団演研創立30周年記念連続公演第4弾!
第53回公演 鐘下辰男新作書き下ろし「いち・ご白書」
※この公演は終了いたしました。ご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。
パンフレットから(更新日11月23日)
アンケート集計しました。(更新日11月26日)
アフターステージトークより(更新日12月2日)


ものがたり
東京で劇作家として活躍する瀬川シンジが同級生の葬儀に出席するため久しぶりに帰郷する。
20年振りに再会したクラスメイトの清水ナツエに
シンジは「もう少し話をしよう」と自分の宿泊するホテルへと誘う。
そこでシンジの思惑とは裏腹に、しまい込んでいたはずの青春時代の一ページが次第に暴かれていく・・・。

 ※ チケットはすべてsold outとなりました。当日券は若干出る予定ですので、当日会場の方へお越し下さい。(更新日11月18日)
 ※ セット製作日誌はこちらからどうぞ。(更新日11月9日)
 ※ セット製作日誌2はこちらからどうぞ。(更新日11月18日)
 ※ 鐘下辰男氏のことばを追加しました。(更新日11月11日)

と き
2005年11月
13日(日)午後3時開演 午後7時開演
19日(土)午後7時開演
 
20日(日)午後3時開演 ☆
☆20日は終演後に鐘下氏を迎えてアフタートークを開催いたします。
ところ  ライブホールメガストーン(帯広市東6条南5丁目)
前売り  一般1500円  高校生以下1000円   当日1800円
前売券取り扱い所 喫茶大通茶館(大通り南6丁目)、藤丸チケットぴあ(西2条南7丁目)、勝毎サロン(藤丸7階)
共 催  財団法人 北海道文化財団   後 援 北海道 北海道教育委員会
助 成  財団法人 UFJ文化振興財団

北海道文化財団のHPはこちらから。UFJ文化財団のHPはこちらから。
※本事業の共催である(財)北海道文化財団は道民の文化活動を応援しています。

 

鐘下辰男

 いわゆる「若い頃はよかった」などという声はよく聞く。特にそれが「高校時代」ともなれば、この年になってくると一層そうした気分だ。多くの人間が持つであろうこうした感傷は、多分に現在、自分がおかれているあらゆる意味での“不自由”からそう感じる場合が多いのだろう。「今の自分に比べればあの頃はよかったなぁ」ってな具合である。しかし現実のあの頃の自分が果たしてそんなに“自由”だったかといえばそれは大きな間違いだ。それどころか、自分たちほど“不自由”なものはないと感じていた。そしてそれは確かな実感だったはずである。「若い頃はよかった」などという感傷は、人生の半分が過ぎ、そろそろ己が最終的に得ることができるであろう、「自分の値打ち」「自分の値段」がそろそろ見え始めたことから来る精神的防御のなせる業だ。所詮感傷である。そうしたぼくの“不自由”な高校時代に光をあててくれたのが外ならぬ「演劇」だった。ぼくがオウムに入信することもなく、少女を誘拐することもなく、小学校へ乱入することもなく済んだのは、この「演劇」との出会いが大きい。そしてその「演劇」をぼくに提供してくれたのが「演研」の代表者、片寄氏である。芝居と言えば学校などに巡回してくる児童劇くらいしか知らず、あんなものは教師にどやしつけられながら無理強いして観せられるもので、その上歯の浮くような美辞麗句や糞面白くもない道徳的、教育的語彙(友達と仲良くとか!)を押しつけられるものだと思っていたぼくに、それこそ“自由”を体験させてくれたのである。そんな“自由”にありついたぼくの高校時代も、三年の演劇大会が終わるとふたたび「冬の時代」が到来した。クラスはほとんどが受験体制に入り、そうしたクラスメートたちの保守化していく姿を尻目に、ぼくはあの頃どうしていたのだろう。学校へも惰性で通い、時折朝から映画館へと通い、そして夜は夜で片寄氏の経営する「大通茶館」へと入り浸り、ダラダラと時を過ごしていた気がする。今回の芝居は、そんな10代の後半に、ポッカリとクレーターのように空いたある半年間を頭に思い描き書いたものである。たまにはこういうのもいいかもしれない。この年にもなればふと後をふり返りたくもなるものである。そしてそんなぼくの作品を、この「帯広」という「土地」で、尚かつぼくと「演劇」を出会わせてくれた「演研」の手によって上演される。人生の贅沢とは、こうしたものである。

 

 

 

 戻る

 ●セット製作日誌

10月21日(金)

 前日に材木が届き、待ちに待った棟梁K山の出番。図面を引き、ミニチュアの模型まで作ってシュミレーションしていたが、実際に建てるとどうなるか、セット作りの経験がないので不安もある。
 K山、さすが本職だけあって、鮮やかに道具を使いこなし次々とパネルを作っていく。手伝いの二人(N口とS木)は、ほとんど遊び気分。仕事ははかどらないものの、初めての大工仕事をとても楽しそうに行う。12時に皆が解散した後も、棟梁は一人残って2時近くまで作業をしていたとか、ご苦労様でした。

10月22日(土)

 仕事を終えたK山、8時半ごろ登場。前日に引き続きパネル作り、そしてドアが二ヶ所あるのでその細工をする。手伝い要員、U佐美とK田が加わり、そしてN口は昨日の頑張りのためか体調を崩しお休み、三人。
 棟梁の慰安を兼ね、稽古をあと飲みに。明日はいよいよ会場で組み立てだ。

10月23日(日)

 10時に大通茶館に集合し、強力な助っ人Y氏の運転するトラックに荷物を積み込み会場のメガストーンへ。早速作業開始。次々とパネルを組み合わせ作っていく。すべてのパネルをたて終わったところで、問題発生。ホテルの一室としては、どうしても広く見えてしまう。いろいろパネルを移動させて、ピッタリくる大きさにする。やはり図面で見ても、空間の大きさの把握が出来なかった(^_^;)。と言うことで、思ったより時間がかかり、一旦昼食をとることに。代表K寄の用意した豚汁をいただきに大通茶館へ。

昼食タイム
写真はありませんが、とっても美味しゅうございました(^^)。

午後からはカウンターを作る天板を買いに出かける。ついでに壁にはるクロスや照明器具などを見る。戻ってきてすぐに作業再開。ドアを取り付けたり、カウンターを作ったりなどする。ここでも棟梁が腕前を発揮。このカウンターうちに欲しいと言う声も出たほど。作業の方は午後からもそう順調にもいかない。ドアノブがいかれてたり、蝶番が甘くなっていたりして(大通茶館の二階からはずしてきドアです(^_^;))、再度買い物へ行くはめに。しかしその店でF澤に偶然会う。カウンターに置く椅子がしっくりきていなかったことを話すと、F澤宅の椅子を持ってきてくれることに。これがいい感じ。
 大方の作業が終わったのが予定より遅い午後7時ごろ。あとはクロスをはり、ドアの感じをかえればOKか?
 鏡やテーブル、椅子などを置き全体のバランスを見る。そして、このあと舞台を使って稽古に入る。壁をたたいたり、ぶつかったりと今回の芝居はかなり激しいシーンが結構ある。支えをガッチリしなければならないことを確認し、稽古終了。その後は急いで撤収。再び強力助っ人Y田氏のトラックで大通茶館の裏へ搬入。

 組み立てに比べ、片付けのなんと早いことか。三条高校演劇部OBで鐘下氏の後輩でもあるN木氏の手伝いもあり、30分程できれいに。今回はこのN木氏には色々とお世話になった。ホテルの鍵など小道具を色々と調達していただいた。感謝感謝です。

10月30日(日)
 T井出張、T永仕事のため、稽古はお休み。セットの内装をする前に実際のホテルの部屋を見たいと言うことで 、N木氏の紹介で市内の某ホテルを見せてもらう。 参加者は代表K寄とK山の二人。自分たちの作ったセットと全く同じ間取りに驚く。(まあ、ホテルの間取りはどこも似たようなもの?)午後からはドアの雰囲気を変えるためにドアノブ、化粧ベニアなどを購入、その後解散。
 

11月2日(水)
 K山、先日購入した資材でドアの改造。ドアをノックした時の音が薄っぺらだったので、ベニアをはがし、中に詰めものをする。その後、化粧ベニアを張りつけるなど、一人で黙々と作業。
 作業後、お腹をすかせたK山とT永の二人で居酒屋へ。車で帰るのでノンアルコールビールを飲む。お代わりを注文したが品切れ で、代わりにノンアルコールカクテルなるものを勧められる。でも、もしかしてそれってジュースじゃない?!やはり出てきたものはほとんどカルピスソーダ でした(^_^;)

11月3日(木)
 祭日も仕事のK山、午後8時過ぎに稽古場に顔出し、立ち稽古を少し見てから、作業に入る。先日のホテル見学でバスルームのドアが床より上がっているのを見て、同じように作りかえる。最初からなら簡単だったが、一度作ったものをバラシして作りかえるので、少々苦労する。ドアノブもそれらしいものに取り替えようとしたが、付いていたノブがなかなか外れず、悪戦苦闘。思った程作業進まず、11時過ぎたので終了。お疲れ気味の女性陣は早々に帰宅し、腹を空かせた男性陣のみでそば屋へ。
この間、大通茶館では稽古真っ最中。この日は、前半に十勝毎日新聞、後半は朝日新聞の記者の方が来て取材していきました。
11月7日(月)
  ドアノブを取り替え 、ドアに化粧ベニアを張り 、ドア枠に色を塗るなどの作業。ドアクローサー(って言うんですか?写真に写っている黒いヤツ)の取り付けに戸惑い時間がかかる。何せこれは大工の仕事ではありませんから(^_^;)。この日はかなり冷え込み、外での作業はかなり辛かった様子。ご苦労様でした。

 

●セット製作日誌2

11月10(木)
 本日会場入り。9時10分に資材置き場に集合し、客席を作るための平台、ビールのカートンなどを積み込み、会場へ。荷物を降ろし、すぐに大通茶館へ行き、今度はセットなどを積み込む。参加者は、T永、T井、N口、K田、U佐美、K山の6名プラス毎回協力してくれる助っ人おかもっちゃん(感謝、感謝!)
 会場にものを運び入れただけでかなり疲れたが、そんなことは言っていられない。時間がもったいないので、すぐにセットの建て込みに。
  K寄も参加し、パンチカーペットを敷き、その上にどんどんパネルを組みたてていく。前回やっているのでこの辺はスムーズに進む。すべて建て終わったところで、問題発生。セットがセンターからずれていることに気づき、みんなで持ち上げちょい移動。そのあとパンチカーペットを固定。養生テープという粘着力の弱いテープを貼り、その上から両面テープで固定する。
この間、手のあいた人たちは客席づくりに入る。この辺は慣れた作業でお手の物という感じ。一段落したところで、昼食タイム。
午後からはK山による補強。前回セットを建てたあとの稽古で、役者が壁をたたいたり、ぶつかったりでセットが少々揺れることが判明。この反省をふまえて、かなりガッチリと裏に支えを入れる。セットのゆがみを直しながら、丁寧に補強していく。
 補強が終わるといよいよ壁紙貼りに突入。糊のべったり付いた壁紙、ちょっと力を入れると破れてしまうので慎重に扱いながら貼っていく。このあたりで午後3時を過ぎる。T永、仕事のため抜けるが、その後も黙々と作業は続く。
 壁紙貼りが一段落ついたところで、T井ベットメーキングのために買い物へ。その間、床と壁の境に巾木(と言ってもビニール製です)を取り付ける作業などをする。セットほぼ出来上がり、6時に夕食。
 ドアののぞき穴やルームナンバーなど細かい作業を残して、本日の作業終了。ご苦労様でした。
役者がぶつかってもぐらつかないように、ガッチリ押さえを入れました。
次の日、ルームナンバーをつけ、のぞき穴を取り付けました。ルームナンバーは段ボール製、のぞき穴はなんとペンライトの頭の所です(^_^;)。
バスルームへのドアも一段高くしました。
入り口のドアにはドアクローサーもつけました。
絵も掛けました。
この絵は芝居の上で重要なキーワードです。
 これで完成!!

 

 ● topへ戻る
 ● 戻る