坪井 志展
初演が18年前でした。初めての平田作品です。自然に存在する、其処にいるって、どういう事なんだろうと悩みました。「それは、ただ坪井がそこにいるだけ」と何度も言われた事を思い出します。18年たった今も、あまり変わっていない私がいます。自然にいようとしているはずなのに、どう演じるべきかと、つい大げさな言い回しや、情緒的な身ぶり、説明的な芝居をしてしている。客観的に自分をみつめ、そこで何をすべきで、何をせずに存在するか……。集大成の今回の芝居でなにかをつかむ事ができればと思っています。現実の人間がそうであるように由子さんがそこに存在してるといいなぁ。
本日は、アトリエ動物園に足をお運びいただき、ありがとうございました。
上村 裕子
本日はご来場ありがとうございます。
私はひたむきに芝居と向き合っていく劇団動物園の姿勢がとても好きです。動物園の札幌公演をお手伝いをした時に、「心を一つにして力を合わせる」という意味の「一味同心」という四文字熟語が私たちの間で流行りました。今回は、その仲間たちの本拠地での公演、とても楽しみにしてきました。
出会った頃はお互いに若かったです。遠い道のりを互いに行ったり来たりしながら20年以上が経ち、お互いに大人になりました。
さて、今回は我々が「平田オリザ氏」の戯曲に初めて取り組んだ作品です。上演を重ねて来た自信作でもあります。我々の作り出す空気感を楽しんで頂けましたら、幸いです。
それでは開演です。一緒に列車に乗りましょう!
野口 利香
「思い出せない夢のいくつか」は今回で5演目となりますが、私は2演目からの参加で継続して照明を担当しています。
一つの作品の再演を重ねていくと、見えなかったことが見えてきたり、違った見方が出来たりして全く飽きることがありません。また、自分が年齢を重ねたことも実感できたりもします。(今だから分かることが結構あります)
私は入団して15年になりますが、芝居にかかわることで、自分と向き合う努力ができたと思いますし、年齢を重ねることが怖くないというか、素敵なことだと感じることが出来ます。(しかし、体力の衰えだけは何とかならないものか……)とはいうものの、実際は些細なことに腹を立てたり、ちょっとしたことを気に病んだりして日々を過ごしています。(我ながら人間がちっちゃい……)
この作品の公演のたび、「あ、星みてないな〜」と思います。小学校高学年くらいの時に地元の海水浴場でキャンプした時のような満天の星(流れ星をいくつも見た)をもう見ることはできないだろうか。
「宇宙の中の自分」だと思うと、些細なことは気にせずいけそうな気がしますが、きっといつもの日常の繰り返しになるのでしょうね。
本日はご来場ありがとうございます。北見のお客様と銀河鉄道の旅ができることを嬉しく思います。このひととき「宇宙の中の自分」を感じてみてください。
金田 恵美
先月末、北見動物園の『Right Eye』を観劇しました。あと2週間後には、自分もこの舞台に立つんだ、そんな思いを抱えながら。アトリエの舞台に役者として立つ事が、5年前に貴和子を演じ始めた頃からの夢でした。その夢が今やっと叶おうとしています。憧れだったアトリエの舞台に、自分が好きな作品、好きな役で立てる。片想いが通じた感じ。でもその想いをアトリエは受け入れてくれるかどうかは……?慣れない空間でどこまで貴和子を演じられるのか?北見のお客様はこの作品をどう感じてくれるのか?その答えは公演後に得られるのだと思います。
本日は御来場頂きまして有り難うございます。外はすっかり寒くなり、この作品の季節に近づこうとしています。舞台に流れる季節を楽しんで頂けたら嬉しいです。
富永 浩至
「ひとつの劇団が25年も続くのは、偶然の積み重ね。中央志向の劇団が多い中、地方にとどまることを宣言しつつ、高いクオリティーを追求する姿勢はすごい」我々が25周年を迎えた時に、平田オリザさんからいただいた言葉です。今年、25周年を迎えた劇団動物園にも、そのまま当てはまる言葉だと思います。
我々はその25周年の時、平田さんに「隣にいても一人」という作品を書き下ろしていただきました。そして3年前の35周年の時には、その「隣にいても一人」で、動物園との初の合同公演を行いました。我々より若い動物園の皆さんが、休日の度に帯広まで稽古に来てくれて、実現した公演でした。
節目節目をどのように迎えるか、そしてどう整理をつけるのか。それがうまくいくと、また次のステップへ飛躍出来る。そう信じて、我々は次の40周年、動物園は30周年に向けて、これからもお互いに切磋琢磨していけたらと思っています。そして、本日お越しのお客様には、時には厳しく時には温かく、私どもの遅々たる歩みを見続けていただければ幸いです。
本日はご来場いただき誠にありがとうございます。