令和5年度帯広市民文化賞等受賞記念公演

 ※こちらの公演は終了いたしました。ご来場、ご協力誠にありがとうございました。


イラスト:アイリス・ニック・クロウ

 

 

「さらだ殺人事件」
 作:別役実 演出:富永浩至

出演 富永浩至、坪井志展、清水 匠、小澤 厳



 舞台中央に、古びた仏壇と茶だんす。その前にちゃぶ台。汚い座蒲団がいくつか。
虚空からすすけたカサのついた電灯がひとつ。
 喪服姿の男1と女2が、ぼんやり現われる……。

1986年初演の別役実、渾身の不条理劇。
昨年上演し好評を得た作品を更に練り直しての再演です。



 

と き
2024年
5月6日(祝)
開演午後2時        
※開場は開演の20分前、受付開始は30分前
ところ
帯広市民文化ホール小ホール舞台上舞台(帯広市西5条南11 丁目48番地2)
入場料

無料(要整理券)

  ※整理券は帯広市民文化ホール事務局窓口、または劇団演研にて
問い合わせ
おびひろ市民芸術祭実行委員会事務局(0155-23-8111)、劇団演研(電話080-3266-0279)
主催
劇団演研、おびひろ市民芸術祭実行委員会
  駐車場案内図

 

○公演アンケートより(写真:大久保真氏)

○普通じゃない普通を覗き見しながら、だんだんと色々分かっていくのが面白かった。(10代女性)

○実際にお線香をあげることで、一気にお葬式の雰囲気を感じられました。2人の会話でどんどん話の流れが分かっていくのが新鮮でした(10代女性)

○全員がずっと不思議でした。何者か分からない感じが面白かった。(20代女性)

○皆さんキャラが立っていて、最後まで楽しく観れた。(20代男性)

○お芝居にひき込まれてあっという間の90分でした。(30代女性)

○ドキドキした。様々な心境をいろいろ考えさせながら観ました。すごく面白かった。(30代女性)

○とても不思議な会話劇でした。一度では理解できず複数回見たいと思いました。さすがの自然体の演技でした。(30代男性)

○様々な心理描写が描き出されていて、とても考えさせられました。何とも言えない微妙な空気感がとても良かったです。胸がドキドキしっぱなしでした。(40代男性)

○死ななければならなかった理由があった…のだろうか。(50代女性)

○ちょっと考えさせられ、切なさが残りました。(60代女性)

 


上演にあたって

富永浩至

 もう三十年くらい前になりますが、このお芝居の初演を東京の信濃町にある文学座のアトリエで観ました。男1は角野卓造。仏壇の裏から這い出してくるその姿に、いたく感銘を受けたことを覚えています。

 上演が決まり、当時のチラシを参考までにと取り出してみました。その裏面には新聞記事が載っていて、見出しに「サラダ殺人」とありました。夫婦喧嘩の末に妻が夫を包丁で刺し殺したという事件で「正子が岡山さんにサラダ三パックの買い物を頼んだが、一パックしか買ってこなかったため夫婦げんかとなった。」と、なにやら出来の悪いフィクションのようでした。まさに事実は小説よりも奇なりです。

 別役実はこの事件から着想を得て、この物語を紡ぎ出したのでしょう。ちなみにそのチラシには「なお、この舞台とこの事件はほぼ関係がありません。」と注意書きがありました。

 さて今回、十勝文化団体協議会文化賞をいただいたご縁で帯広市民文化ホールで公演する運びとなりました。舞台上に客席と舞台をつくって上演する試みです。どのような舞台になるか我々も楽しみにしています。劇団員一同、皆様のお越しをお待ちしています。

 
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