出演者インタビュー 金田恵美

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出演者インタビュー、二回目は金田恵美です。2000年に入団、「楽屋」は3回目と前回の4回目に出演。3回目では女優B、4回目は女優Dを演じました。


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Q.まずは演劇を始めたキッカケは?

金田:大学に入ってから、

ーー あれ?高校の時はやってなかった?

金田:中学、高校と合唱部でした。大学でも最初は、社会福祉のサークルに入ってたんです。で、そこの友達が演劇部と掛け持ちしていて、公演を観に来ないかって誘われたんです。で、付き合いで観に行ったら、楽しそうだったから、それで入ったんです。そこはホンを書く人がいて、あとキャラメルボックスが好きで、オリジナルと交互にやっていたかな。

ーー 大学の時は、結構舞台に立ってたんだ。え、主演女優?

金田:いや、主演じゃないですよ。(笑い)可愛い子がいっぱいいたので。

ーー 芝居とか観には行ってた?

金田:ええ、他の大学の演劇サークルとか、ああ、北海学園とかも観に行きましたね。

ーー え、じゃあ大泉洋とかいたんじゃない?

金田:ええ、同じ時期でした。お互いに観合ったりしてたんで、親しくはなかったですけど、知ってましたね。


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※金田恵美(写真左から2人目)、演研初舞台「救いの猫・ロリータはいま・・・」の稽古風景。




Q.演研に入った経緯は?

金田:私がやりたい仕事の求人が札幌にはなくて、探していたら、たまたま帯広で募集があったので試験受けたんです。そして就職したら、同じ施設に上村さんがいて、多分、私が学生の時に芝居をやっていたと言うことを聞きつけたと思うんです。(笑い)で、演研、観に来ないって誘われて。

ーー じゃあ、入る前に演研の芝居を観てるね?

金田:観てます、何本か。

ーー 珍しいよね。

金田:珍しい?

ーー だって、野口も観ないで入ってきたし。

金田:それは野口さんの方が珍しいんじゃないですか。

ーー いやいや、上村だって、坪井だって、観ないで入ったよ。え、何、観たんだっけ?

金田:覚えてないです。(笑い)

ーー いや、いや、あの時の上村さんが素敵でしたとかあるじゃない。(笑い)観客名簿によると、・・・「うしろの正面」、「走りながら」「恋愛日記」「思い出せない」、4本観てるじゃない、何かあるでしょ?

金田:えー、・・・覚えてないですね。

ーー まあ、いいや。(笑い)

金田:でも、芝居を観終わった後、交流会で今度稽古見させて下さいって、言ったのは覚えてます。

ーー それで、稽古に来たんだ。その時のことは覚えているの?

金田:いえ、覚えていません。(笑い)

ーー それは、就職してすぐじゃないよね。

金田:そうです。まだ仕事にも慣れてなかったので、すぐではないですね。入ってすぐ苫小牧に連れて行かれました。(笑い)

ーー あ、「走りながら眠れ」苫小牧公演だ。あのちょっと前に入ったんだね。

金田:そうです。

ーー すぐには舞台に立てなかったけど。

金田:帯広には知り合いがいなかったので、職場とは違う繫がりが欲しくて。舞台に立ちたいとは思いましたが、演劇にかかわっていたことが楽しかったです。

ーー でも、その頃は、平田さんの書き下ろしがあったり、芝居小屋が無くなったり、佐久間さんが亡くなったり、演劇祭をやったりとか。

金田:そうですね、いろいろありましたね。(笑い)


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※「走りながら眠れ」苫小牧公演の時の記念写真。入団したての金田は上から2段目の右端です。中央にいるのは平田オリザさん。



Q.これまでやった「楽屋」について聞かせて下さい。

ーー 最初はメガストーンでやった第52回公演、その時は女優B役。

金田:ただただ大変だったことしか覚えていないです。メイクをしながら演技することが大変だったり、演出に言われたとこが全然出来ないとか。(笑い)その前の年の「救いの猫・ロリータはいま」で初舞台だったんですが、稽古の時から凄く緊張していて。演出に何言われるんだろうとか、いつになったら良いと言われるんだろうとか。ずっとダメ出しをされていた印象ですね。自分が役についてないと、他の人に出しているダメ出しとかよく分かるんだけど、いざ自分が役につくと分からなくなる。

ーー それって?

金田:結局自分がどういう風にやっているかが分かっていないから、どこがダメかも分からないと思うんです。今は大分、分かるようになってきたから、ダメを出された所を直そうと思うんですが、最初は、演じることで精一杯で。で、一つ直すと、それに伴って他も変わってくるはずなんだけど、そこしか直さないから、自分の中で辻褄が合わなくなってきたり。どうして良いのか分からない感じでした。まあ、今でもすぐには出来ないんですけど。(笑い)

ーー 今回は、前回と同じメンバーで、しかも前回と同じ女優D役。

金田:セリフはすっと入りますね、思い出すと言うか。でも、台本に前回のダメ出しが書いてあるんだけど、また同じことを言われているとか。

ーー ああ、これ、5年前にも言われてるよ、って言うのがあるってこと?

金田:それがいっぱいあって、進歩してないのかなって。(笑い)

ーー それは何なのだろ。普通に考えると、ダメだしされて本番の舞台に立っているんだから、直した方を体の記憶として覚えているはずだよね。それが直される前の事をまたやってしまうというのは?

金田:でも言われている事って、ずっと言われている事なんですよ。

ーー それは?

金田:多分舞台に立つ時の私のクセみたいなものがあるんだと思うんです。

ーー 役ではなく、素の金田恵美が出ちゃうってこと?

金田:なんか進歩ないですね、私。(笑い)

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※第52回公演「楽屋」メガストーンにて。第61回公演「楽屋」演研・茶館工房にて。



Q.今回の「楽屋」への意気込みは?

金田:この芝居は凄く好きです。ここまで芝居を愛しているのかという女優たちが出てきますよね。じゃあ、自分はどうなんだって問うたりします。舞台に立ちたくて楽屋に居続けるAやBの思いだったり、女優Cの思いだったり、また女優Dの思い。そこにかける思い。そこまで熱くなれるものって、なかなか無いよなって思います。自分がそこまでいけているかは別として、そこには憧れますね。

ーー なるほど。

金田:前回言えなかったセリフが、いくつかあるんです。いや、実際は言っているんですが、きちっと自分の中に落として出たセリフじゃない。今回は、それをキチンと自分の中に落として言えるようになりたいです。女優の覚悟というか、生きていく覚悟みたいなものを出せれば良いんですが。あ、でも、今回の楽屋が、一番やっていて楽しいですね。前まではやる事に精一杯で、そんな余裕が無かったのかもしれません。(笑い)


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