第5回公演
劇的なるものへの序章
構成・演出・清水 章子

スタッフ
 舞台監督 片寄晴則  照明 石黒明  効果 片寄晴則  小道具 佐々木光子  衣裳 橋本江里  
 制作 志賀千恵子 柴田ひとみ

キャスト
第1部「小熊秀雄作品集より」
清水 章子  種田 栄子  志賀千恵子  柴田ひとみ  部田泰恵子  橋本 江里  石黒 明  佐々木光子
第2部「構成詩劇〜断片〜」
女1 種田 栄子  女2 志賀千恵子  女3 橋本 江里

とき
1981年3月8日(日)開演午後7時15分 14日(土)開演午後7時15分 15日(日) 開演午後7時15分
ところ
シアター&喫茶大通茶館(帯広市大通り南6丁目)
前売り500円  当日600円 (コーヒー券付き)



上演にあたって

清水 章子
 「今から六・七年前の事、旭川の劇団「河」の公演の時に、私は初めて小熊秀雄の詩に出会った。とても激しい、強烈な印象を受け、心が熱くなった事を覚えている。早速、詩集を求めて読んだ。どの詩にも小熊の真実の叫びが込められている。その力強さしたたかさを、我々のものとして表現したい。小熊の詩に賭ける情熱と我々の芝居に賭ける情熱とを同化させて熱いステージを創りたいと思っている。
 第二部は、関連のない詩をつなげて、一つのドラマとした構成詩劇である。我々のレパートリーである「気をしずめてよお母さん」のテーマが作品の底辺を支えている。自分の存在を想う時に、常にある種の呪縛から逃れられない運命を感じる。否定しても否定しきれない女の部分を感じる。そんな様々な葛藤のなかで真に生き続ける女としての自己を見出したいという願いが、この「断片」を生み出した。ストーリーは、無に近く、そこに描かれるのは一つの状況としてのドラマであり、詩と詩をつなげて一つの世界を表現できるか、そして、詩の出会いのなかに劇的な瞬間を生み出す事が、可能なのか、挑戦してみたい。
 我々の未熟さ非力さを痛い程思いしらされる毎日だが、表現への衝動、創造への執念だけを武器に、皆でけいこを重ねている。


つ ぶ や き

片寄 晴則
 生活のためとはいえ、現実に団員達と足並みを揃えてけいこに参加できない、いらだちの中で「せめて効果的な効果音を」と思いつつ、テープを切りきざむ毎日です。

清水 章子
 「お達者ですか?私は相変わらずの毎日、仕事と芝居にあけくれています。」友人への便りは、常にこの文章から始まる。そして多分これからも変わることなく、「嗚呼ー」とタメイキひとっつ・・・。

種田 栄子
 なぜ芝居を・・・。
 自ら、裸になり、それを唯一許してくれるのが芝居ではないかなあ。ことばを借り、自らの思いを少しでも表出してゆきたい。

村上 祐子
 
出産の為に休団。そして育児。つい自分を甘やかしてしまう毎日が続く。仲間から引き離されていく不安とあせりを感じながらそっとつぶやく−。
 「聡子よ早く大きくなっておくれ。」

志賀 千恵子
 演研に入団して、三年目です。色々つらいこともありましたが、公演のたびに芝居っていいなぁと思います。今日も又・・・。

柴田 ひとみ
 演研に足を運んで早一年と八ヶ月、今日まではつらくきびしかった。でも今はちがう。今回の公演をステップに、自分自身を広く大きく飛躍させたい!

田 泰恵子
 十八年間生きてきました。
 でも時々、自分は息ているだけじゃないのかなって思っています。いつまでも生きていたいから、私は芝居が大好きです。

橋本 江里
 初めての公演。表現することのむずかしさを改めて認識し、自分の非力を思いしらされる。でもあきらめずに進みたい。

石黒 明
 ベクトルの内積が少しずつ小さくなっていくような冷たい風を左ほほに感じ、スポットライトの熱い光を右ほほに感じる。

佐々木 光子
 どんな芝居がやりたいのか、何をしたいのか、あまりに大きすぎてつかむことができません。でも無限の可能性を信じて生きていきたいと思います。

 

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