第6回公演
楽屋
作・清水邦夫
演出・片寄晴則

 

スタッフ
 舞台監督 片寄晴則  照明 種田栄子  効果 橋本江里  小道具 部田泰恵子  衣裳 佐々木光子  
 制作 清水章子 坪井志展

キャスト
 女優A 清水章子  女優B 部田泰恵子  女優C 坪井志展  女優D 佐々木光子 

とき
1982年7月18日(日)開演午後3時 午後7時 24日(土)開演午後7時 25日(日)開演午後7時
ところ
シアター&喫茶大通茶館(帯広市大通り南6丁目)
前売り600円  当日700円  (コーヒー券付き)



上演にあたって

拝啓 清水邦夫様
片寄晴則

 年をとらずにいつまでも「青くさい」若さの漂うあなたの作品群が好きでした。いつも「時代」と向き合って苦悩するあなたの作品群が好きでした。
・・・日々のいのちの営みがときにあなたを欺いたとて−中略−流れ去るものはやがてなつかしきものへ・・・
と鏡達がささやく『楽屋』と出会った時に、活動母体である「桜社」「風屋敷」が解体し苦しんだ末に、新しい地平に立ったあなたを確認し一層好感を抱きました。
 新劇の長い歴史、又は、時間を担っている四人の女優は、平面的に存在するのではなく、楽屋という彼女達の生活の場で、戦前、戦後、そして現代へと続く時間を背負い、縦につながっているのですね。
 すでに死人であるはずの女優が「三人姉妹」のせりふを借りて
・・・私達の生活はまだおしまいじゃないわ。いきていきましょうよ・・・
と、つぶやきながら闇にかき消されてゆくとき、私もまた、雑多なわずらわしさを越えて「流れ去るものはやがてなつかしきものへ・・・」とおもえるよう、芝居を続けてゆかなければと、勇気が湧いて来るのです。
 我が集団の新人達にとって、あなたが散りばめた言葉を自分の肉声としてどこまで表出できるかはいささか疑問ですが、少なくとも嘘の無いところで舞台に存在したいと念じつつ、連日深夜のけいこに励んでいます、実に一年四ヶ月振りの公演です。公演にこぎつけた喜びと、緊張と、不安が胸を交差していますが、どうぞゆっくりお楽しみいただければ幸いです。

つ ぶ や き

清水章子
 久々の公演に、心は踊るものの何故か不安はつきまとう。役者として舞台に立てる喜びに酔ったのはほんの短い時間だった様に思う。
 思う様にけいこが進まない、役の心がつかめない、やればやるだけ悩みは増して、身動きがとれなくなる。けいこが苦痛になり、もう総てを投げ出したくなる。
 公演の度に、幾度こんな思いを味わったことだろうか?
 芝居を続けるなかで、幾度“やめよう”と考えただろうか?でも、結局はやめられない。「少しだけ休みたい、少しの間だけ芝居から離れていたい、そして、又自分がやりたくなったらやるんだ。」という様な甘えがどこかにある。そんな甘えが嘘につながっていく様な気がして、とても恐ろしいから、やっぱり私はやめられない、続けていくしかない。「楽屋」はそんな私にとって、とても身近な作品のように感じている。とにかく、精一杯嘘のない舞台にしたいと、明確な意志を伝える舞台を創りたいと願っているのだが!

坪井志展
 朝の光の中で小鳥のさえずりを聞く事が多くなった。数時間後にやってくる、あのざわめきは嘘のようだ。就職してやっと一年、演研に入ってもうすぐ一年、芝居をやっていて私なのだ、生きているんだと思える。ものさしで計れない人間がいたって良いじゃないか?
 女優になりたい小娘の初舞台が、女優Cの役だった。「すべてに納得ずく」と言いながら、孤独の中を生きる女優C。
 私自身の中に あるものを、引きずり出しながら本当の事での“役作り”なかなかできるものじゃない。
 決して、自己満足だけではないと自信を持って言えるまで。納得がゆくまで・・・。続けていかなくては−芝居を!
 あせりと不安をかかえながらも、毎日けいこ場に足を運ぶ近頃です。

佐々木光子
 私が入団した頃の演研は、詩のコラージュというものを中心に活動していました。
 入団したばかりの私には、何かよくわからないままの活動で終わってしまったような気さえします。そんな訳で、2年目を迎えて初めて、脚本を手にした時、ただ、ただうれしい気持ちでいっぱいでした。
 でも、そんな気持ちとは全く逆に、ナント難しい。何度、深く悩み苦しんだことか。
 こんな事をしてて、一体、何になるんだろうと疑問を感じた軟弱な時期もあったけれど、今は続けていてよかったと思い、また、何かやろうと持続させていく難しさを感じています。
 芝居以外にも、いろいろ勉強になる事が数え切れない程ありました。その事が本当に自分の実となって、それが少しでも、他の見て下さる方々に、伝わればと思います。

種田栄子
 自分のカラを破りたいと思い芝居を続けて今日に至っています。
 妥協や矛盾した中で、生の自分をさらけだせる場所をもとめて・・・。
 求める物、排除する物そのさまざまな事を感じ葛藤する日々が多々あり、その中で一つでも閃光を内部から放つことができればよいと思うのですがなかなか。
 役者のはく息と、演出、効果、照明、スタッフのはく息とが一体になって、観客の皆様の心に少しでも届くことを願い、照明担当の私は操作しています。

部田泰恵子 20歳
 演研に18歳の時に入って、もう2年も経ってしまった。何度も芝居を投げ出したくなった事がある。でもこうしてしぶとく続けているのは、どうしてか?自分でも未だにわからない。けれどもし自分が芝居とめぐりあっていなかったら、今の部田泰恵子20歳は存在していなかった と思う。今回女優Bの役を演じていて、自分でも気づかなかった“自分”が少しわかったような気がする。

村上祐子
 休団中です。4年たちました。その間に他の団員はみな大きくなりました。私?しぼんだみたい。主婦や母親の役目もなぜか途中半端で・・・。あれが終わってから、これが済んでからと、いつの間にかこんなにも時間がたっていました。そんな中で覚えた事と言えば「おかあさんといっしょ」のコケコッコ体操ぐらいなもの。
 「経験だけで物事を語ると必ず行きづまる。常に論理性を持った知識がなければいけない。」
 そうですね。
 充電期間であるはずの休団中に何もしないで休んでいたのではしぼんで当然。
 でも最近は、しぼんだ風船にいっぱい空気を入れて少しでも早くみんなと一緒に芝居がしたいと願っています。

 

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