第75回公演  「罪」
 作:蓬莱竜太   演出:富永浩至


 スタッフ
  上村裕子、野口利香、村上祐子、鈴木えりか、片寄晴則
  

 キャスト
  富永浩至、坪井志展、清水匠、金田恵美   


上演にあたって

富永 浩至

 この作品は、平田満と井上加奈子のご夫妻が企画プロデュースするアル☆カンパニーの第6回公演として2010年に上演されたものです。その再演時のチラシに平田さんは『10年後、20年後に各地で上演され、「オリジナルはアル☆カンパニーってとこがやったんだ」と言われたら最高です。』と書かれていました。その言葉通り、今回の我々の上演に対してもすぐに快く許可をくださりました。

 さて、今回のこのお芝居には所々に効果音として雨の音が入ります。先日の稽古のおり、まだ音が入る場面でもないのに、大きく雨の音が響き驚きました。そうです、本当に雨が降って来たのです。この「演研・茶館工房」は、元々あった天井をとっぱらい、天井を高くしているため、雨が降るとその音がダイレクトに響いてきます。もちろん防音もしていないので、外の車の音などもまる聞こえですが(笑)。ですので、もし当日雨が降ることがあれば、どうぞ劇中で降る雨と本物の雨とお間違いのないようお願いいたします。

 公演案内のチラシに「今回も又、途方もなく高い山の山道に足を一歩踏み入れた感じです。」と書きましたが、今日まで稽古を重ね、なんとか頂上にたどり着けそうなところまで来ました。本日、お客様に観ていただくことで、最後の一歩を踏むことが出来ればと思っています。そこからの眺めはどのようなものでしょうか?皆様と一緒にじっくりと味わえるものになればと思っております。

 本日は、演研・茶館工房へ足をお運びくださり、誠にありがとうございます。

 

つぶやき


坪井 志展

 6月から、ホットヨガ始めました。「今、入会で3ヶ月間、割引きあり」の広告に惹かれ、家から歩いて5分のジムに。と言っても今まだ3回目。初回体験は、夜6時からの60分「パワーヨガ」、8時からの芝居の稽古には余裕で間に合うだろうと参加。始める前のダイエットドリンク(HAKKAN)のせいか、始まって10分もしないうちに汗が滝のように流れます。マットはもちろん床にも飛び散る汗だらけ、え?私だけこんなに汗だく?岩盤浴なみの暖かさに少々ふらふらしながらなんとかインストラクターの言葉に耳を傾ける。「ナマステ」の挨拶でレッスン終了。終わってからが忙しかった、考えればわかりそうな事でしたが、Tシャツ、スパッツはビショビショ、脱ぐのも一苦労。シャワーを浴びて、着替え(Gパンが汗でなかなか入らない)ほとんどスッピン状態で遅れて稽古に参加。ごめんなさい。汗と一緒に私の中の心と身体の『悪』が絞り出されたのか、肉体の疲労を感じることもなく爽快な気持ちで稽古が出来た。これが初のヨガ体験「気持ちよかった!」

 2回目は次の日、朝9時半からの60分。「ハタヨガビギナー」発汗ドリンクは呑んでないのに昨日より汗が…レッスン中には1?の水分を補給しながら、呼吸は止めずにゆっくり吸ってゆっくり吐く。呼吸法はお手の物と思ったけれども、鼻から吸って鼻から吐く。気付くと口から吐く私、いつもの癖が抜けない。

 一日挿んで3回目は「美脚ヨガ」体幹がしっかりしていないのか、片足立ちはグラグラでドスン。メニューについていくので精一杯。でもとにかく汗は出るどんどん出る。これが何とも気持ちがいい。

 今回のこのお芝居、家族一人一人が考えていた事、思っていた事を吐き出します。知らず知らずに抱え込んでしまっている事は誰にでもあるのだと思います。ヨガレッスンで体験した汗のように、一度滝のように流れだす道筋ができれば、意外に心も身体もスムーズになったりする事があるのだろうと感じています。

 本日はお忙しい中、演研・茶館工房に足を運んで下さりありがとうございました。

 

上村 裕子

 観客として観劇するなら、どんなタイプの作品も観てみたいと思いますが、上演するとなると話は別です。初めてこの作品を読んだ時には、とてもデリケートな問題を扱っていると感じドキドキしました。そして芝居というより、ドラマっぽいと感じました。上演できるのだろうかと不安もありましたが、演出からデリケートな面はあるけれど、家族再生だと聞かされた時に、救いを感じました。新しい作家との出会いで第75回公演を打てる事がとても嬉しいです。

  本日はご来場、誠にありがとうございます。ご覧頂いたお客様方はどのような感想をもたれるでしょうか?是非、率直なご意見をお聞かせ下さい。アンケートの感想を読ませていただくことを、とても楽しみにしております。

 

 野口 利香

 今回の作品は「家族」のお話なので、「家族」について考えてみました。物心ついたときから一つ屋根の下で寝起きし、一緒にご飯を食べ、父母の言うことには従わねばならず、兄妹とはしのぎを削る毎日。子供時代に「あー、なんでこんな家に生まれてしまったんだろう」と密かに嘆いたことも一度や二度ではなかったように思います。しかし、今思えば嘆きの理由はほんの些細なことばかりで、ほぼほぼ平和な子供時代を過ごさせてもらったのである。

 大人になってからは、家族との距離感が難しい。仕事や結婚のことなど、親に相談しながら決めるのではなく、自分でさっさと決めてからの事後承諾ばかりであった。両親にとって、私はどんな娘だったのだろう、と考えるとあまりにも申し訳なくなってしまうので、考えないようにしている。未だに母親への接し方をあれこれ思案してしまう。私は、この距離を保ち続けるしかないのである。家族への思い、距離感は、人それぞれですが、この舞台に登場する家族は皆様の目にどう映るでしょうか。けして特別な家族ではないと思います。「家族は家族であり続ける」これは宿命なのでしょう。

 本日はご来場、誠にありがとうございます。最後までごゆっくりご観劇ください。

 

金田 恵美

 4月、安室ちゃんのドームツアーに参戦してきました。ファンクラブの会員でも取れない人もいるというチケット。国内ドームツアーほぼ全てに申し込み、奇跡的に札幌を1枚ゲット。ステージからは遠く、でも初の生安室ちゃんは、綺麗でスタイル良くて、可愛くて格好良くてタフで…一時でも同じ空間に居られた事を心底感謝しました。同じアラフォーとしては、あれだけ歌って踊れるその体力に脱帽。腰痛い、肘痛い等身体のあちこちに年齢を感じる事が増えてきたアラフォー(笑)。先輩方があちこち痛いと言っていた、その意味を実感しつつ、このままではいけないと思っているだけの毎日です。

 さて、今回の芝居。取り組み始めも今も、まだ自分の役を掴みきれず、心情を理解しようと足掻いています。でも、役を演じる楽しさも、心のどこかで感じています。演じるにはギリギリの年齢(過ぎてるって?)ではありますが、皆で作品を作り上げる、その場がある事を感謝しながら舞台に上がれたら、と思います。

 

清水  匠

 今回は役者を務めたのですが、いつもと同じように苦労の連続でした。体も声も表情もまったく自分の思い通りにいかず、本当に本番を迎えることができるのか不安で仕方がない状態でした。とは言っても本番は時間とともにやってきてしまうので、覚悟を決めてやれることをやっていきたいです。今回の劇は変わった話ではあるのですが、家族の物語なので共感できるところもたくさんあるのではないかと思います。

 本日は公演にお越しいただきありがとうございます。

 

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