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「慕ってくれる仲間に恵まれ、好きな芝居をやってこられて本当に幸せだ」。帯広の劇団演研代表・片寄晴則さん(51)は、初日の公演を無事に終えて盛り上がるメンバーを見つめ、何度もつぶやいた。 今年12月に創立25周年を迎える同劇団は、メンバーが今、最も注目する劇作家平田オリザさんの作品で三連続公演を企画した。4月の帯広、6月の苫小牧公演に続き、締めくくりとなる7日からの帯広公演(全6ステージ)では、5年間にわたって交流を続ける平田さんが同劇団のために書き下ろした新作「隣にいても一人」による公演が実現した。 東京や札幌からもファンが訪れ、会場となった演研芝居小屋(帯広市西2南17)は連日の立ち見が出る盛況ぶり。公演初日に駆けつけ、客席から見守った作者の平田さんは「離婚の危機にある夫婦の物語で、自分がやっていたらもっと陰湿な芝居になったはず。演研のカラーとうまくバランスがとれて、面白く仕上げてもらっ |
た」と満足そうに話していた。 アマチュアの域を超えた高いクオリティーを求め、維持し続けてきた四半世紀。演研代表の片寄さんは、「長くやってきたごほうびにステキな贈り物(台本)をいただいた。プレッシャーもあったが、本当にうれしい」。無事本番の幕が開けた充実感で、芝居小屋の中は最高の笑顔があふれた。 新作は演研に五年間の独占上演権が与えられる。「毎年再演を重ねて練り直し、劇団の財産にしていきたい」と片寄さん。大きな目標を得て、三十周年に向けた歩みが始まった。 最終日となる15日の公演は、午後3時と同6時から。チケットは前売り千円。当日千二百円。残りわずか。問い合わせは同劇団エ0155-25-7140へ。 (帯広報道部 水上 晃) |
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