第77回公演  「マッチ売りの少女」
 作:別役 実   演出:富永浩至

 


 スタッフ
  野口利香、上村裕子、片寄晴則、村上祐子、鈴木えりか、内山裕子
  

 キャスト
  女:金田恵美 弟:清水 匠 男:富永浩至 妻:坪井志展

  男の声:小林弘明(おびひろ市民ミュージカル)


上演にあたって

富永 浩至

 2016年に北海道文化財団の招きを受け札幌公演をした際に、財団の方から「北海道地域文化選奨」というものがあり、演研の活動はその受賞の対象になるので、是非応募してみてはどうかと勧められました。

 早速書類を提出した我々はもうその賞をいただけるものだとばかり思っていましたが、しかし世の中そんなに甘くはありませんでした(笑)。

 それから毎年書類を提出すること三度。もうすっかりと諦めていた昨年末、特別賞を受賞したという知らせを受け取りました。帯広の文化団体では初めての受賞です。

 これもひとえに公演のたびに足を運んで下さり、我々の活動を支えてくださっているお客様のお陰だと、団員一同心より感謝しております。

 さて、今回の芝居、古くは「受付」「うしろの正面だあれ」そして「トイレはこちら」と、演研としては四作目の別役作品です。チラシにも書きましたが、私が学生の頃からやってみたいと思っていた戯曲です。

 高度経済成長を果たし、戦争のことなどもう忘れようとしていた頃の作品です。昔のものではありますが、根底に流れているものは、まさに今の時代にこそ考えなければならないものだとも思っております。そんな思いがお客様に伝わるようにと、日々稽古に勤しんでおります。

 本日は、演研・茶館工房へ足をお運びくださり、誠にありがとうございます。

 

つぶやき

坪井 志展

 空想の世界が好きだった。幼い私は森の中に住んでいて人間の両親と姉妹がいるウサギやキツネになった。なんで自分だけ動物になるのかはわからなかったけど、きっと出来ない事が沢山ある甘えが許されて、可愛がられる存在で居たかったのだと思う。

 甘えられる両親も姉妹も居なくなった今、私はまた空想の世界に入ります。さすがに、もう動物への変身はなし、母と何気ない会話をしながらお茶を飲んで笑いあったり、行ったこともない旅行をしたり、実際の私はいつも文句を言ったりふくれたりしていたの…

 私に似合う洋服を一緒に探してくれるお姉さん、解らない事には何でも答えてくれる本の大好きなお父さん、いつも自分のことは二の次で子供のことを考えているお母さん。

 そんな家族の中で、頭の中の私自身はやさしくおおらか、そして家族は、私の目の前から消えることがない。

 もう還暦をむかえる年齢になり自慢できることより後悔する事の方が多いように感じるが、この後の人生は一日一日胸を張って過ごしていきたい。と書いている傍から「今からではなく、明日からね」と思っている私がいる。

 「マッチ売りの少女」高校生の時からいつか演じたいと思っていた脚本を、取り上げることが出来とても幸せに思っています。

 本日はお忙しい中 演研・茶館工房に足を運んでくださりありがとうございます。

 


上村 裕子

 以前観た映画やドラマを何年か経って観た時に印象が違うと感じたり、以前なかった共感を覚えたりすることありますよね。

 私が今回上演の作品と出会ったのは、多分20代の頃です。不思議な感じがしました。恐い感じがしました。正直言って、上演したいとは思っていませんでした。

 あれから30年?(きみまろさんみたいですが)改めて作品に触れ、その味わい深さに驚きさえ感じてしまいました。そして、一人でも多くの人に観てもらいたいと思いました。大人になったのか?歳をとったのか?多分、どちらでもあるのでしょうが、今そう思える自分で良かったです。

 本日はご来場、誠にありがとうございます。独特の空気感を楽しんで頂けると幸いです。

 

 野口 利香

 新しい元号となりました。令和って意外と好きです。私は、昭和から令和へと三つの時代を生きて来たわけですが、さて、四つ目に突入できるかどうか。天皇陛下とは同年代なので、どっちが長生き出来るかだな・・・なんて考たりしています。

 今回の公演は、「昭和の戯曲再発見」と銘打っています。昭和といえば戦後ですが、なんと私が生まれたのは終戦から十八年しか経っていなかったのです。でも物心ついたときから、戦争なんて遠い遠い昔のことのように思っていました。今から18年前なんて最近なのに。

 それでも子供の頃は、ベトナム戦争とかの映像がテレビで流れると怖くて堪りませんでした。せっかく平和な日本に生まれたのだから、このままでいたいと。しかし、人生半分を越したここに来て、なんだか世界中がおかしな感じになっている気がします。

 私が生きた昭和も平成も令和も「平和」の文字が使われているのです。爆音や銃声を聞かずに、人生を全うしたいものです。近頃、そう願わずにはいられません。

 本日は、演研・茶館工房に足をお運びいただき、ありがとうございます。最後までゆっくりとお楽しみください。

 

金田 恵美

 今年のゴールデンウィークは、皆様いかがお過ごしでしたか?入る前は長いと思いつつも、始まればあっという間。ただただのんびり過ごした、そんな感じでした(お仕事されていた方、ごめんなさい)。

 せっかくなので出掛けようと、根室まで車を走らせました。数年前、島根県で出雲日御碕灯台を見てから、気になる存在になった灯台。根室に行く前に灯台の有無を調べると、あるんですね〜灯台が。納沙布岬灯台、ノッカマップ灯台、花咲灯台…それぞれにフォルムや色合いが異なっていて楽しい。

 旅の最後に選んだのは落石岬灯台。木々に囲まれた木道を歩いた先にある灯台で、この景色と雰囲気に癒やされました。誰かの為に何かの為に静かに佇む灯台。存在を知らせる為に静かに光を放つ。時々思い出して癒やされながら、今回の芝居と向き合ってきました。

 自分の存在は何なのか?そんな事を自問自答している毎日です。このお芝居が、皆様の心の中で灯りますように。

 

清水  匠

 演研に入り今年で5年目を迎えました。いい加減慣れてきたのかというとそうでもなく、周りに迷惑ばかりかけ続けている日々です。

 今回のお芝居は、最初台本を読んだとき正直よくわかりませんでした。稽古を重ねても自分の演じる役(今回は役者です)がなにを考えているのか、なんのためにこの場にいるのかがわからなくなることばかりで、その都度演出をはじめとするメンバーに助けてもらってきました。

 今でもこの芝居がどういうものなのかきちん理解している自信はありませんが、自分の役としっかり向き合って乗り越えたいと思います。

 個人的には来月30歳になるので、20代最後の公演となります。ただなんとなくだらだらとすごしてしまった10年間でしたが、この公演でほんの少しでも挽回できたら・・・。

 本日はお越しいただきありがとうございました。

 

小林 弘明

 おびひろ市民ミュージカル、ステージアート☆コバという二つの団体で舞台活動をしております、小林弘明と申します。

 今回、ご縁があり「マッチ売りの少女」に出演させていただくこととなりました。私自身、これほど小さな劇場での公演は初めてで、とてもワクワクしております。

 普段行っているホールでの芝居とは勝手が違い戸惑いもありますが、初めて経験する小劇場での芝居はとても勉強になります。小劇場ならではの空気感を味わいつつ、本番当日はその空気がどう変化していくのか。楽しみながら演じさせていただきます。

 ご来場いただきました皆様も、どうぞ、この不思議な空間を最後までお楽しみ下さい。

 

 

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