第3回 道東小劇場演劇祭 報告

当日ご覧になった皆様からいただいたアンケートの集計とアフタートークの様子です。
アンケート集計は、各劇団の演目をクリックしてください。
ご協力下さった皆さま、ありがとうございました。


 


午後7時開演 劇団動物園(北見)

こころゆくまで。動物園アフタートーク
作:門 肇 演出:松本大悟


午後2時開演 劇団 演研(帯広)

隣にいても一人 演研アフタートーク
作:平田オリザ 演出:片寄晴則

午後6時開演 劇団 北芸(釧路)
この道はいつか来た道北芸アフタートーク
作:別役 実 演出:加藤直樹

アフタートーク
ゲスト・・・木野花氏(演出家・女優)
※木野花さんのコメントを載せましたが、かなり要約してありますので木野さんが言いたいこととは、
多少違っているかも知れませんが、そのあたりはご容赦してください。

動物園「こころゆくまで。」について
 いろいろ複雑な気分なんですが、面白い部分と肌にあわない部分があるんです。脚本をあらかじめ送ってもらって読んだんですが、読まないで観た方が良かったかもしれません。脚本は、設定にすごく無理がある。泥棒と警察という組み合わせは面 白いんだけど、絶対に無理。泥棒が家に入って、その泥棒を許して、しかもスピーチを頼むというのが、気になって仕方がない。もうひとつ気になるのが、すごくインテリなの泥棒の会話が。友達のいない警察のカウンセラーのようなの。泥棒が精神分析医で、神が遣わせたかのように見えてしまう。その辺でこの台本をどう読んだらよいのか、とても混乱した。そんな中で舞台を観たのですが、すごくうまいなと思った。役者さんの力技だなと、これだけ矛盾を抱えた台本を、ちゃんとお客さんを笑わせて、飽きさせないで面 白くもっていったのは、役者の力だと思う。でもその力技が、私なんかなまじっか役者やってるから、気に入らないわけ(笑)。破綻してるんだから、もっと破綻して!と思うんだけど、見事にもっていく。お二人ともとても上手くて、すでに動物園スタイルを確立していると思うんです。それが絶妙なところに来てると思うんですけど、それを壊して欲しいなあと思いました。   Topに戻る

 

演研「隣にいても一人」について
 とても上手くできたお芝居だなと思いました。理不尽とか不条理と言うところはあるが、破綻はなくきっちりと狙いが伝わってくる。しょっぱな、設定がカフカ状態で始まるだけれど、あれは何でだろう?と言うことなしに、会話を聞けると言うのはさすがだなと思いました。憎いところをついたなと、観ていると夫婦って何なのということがつきつけられる。夫婦になった二人が何を根拠にそう考えたのか、かたや別 れようという夫婦がいて、余計何がどうなると夫婦じゃなくなって、何がどうすると夫婦になるのか、そこを観ながら色々と考えさせられる。私なんかすごく考えた。そこがひとつ憎いところです。観終わった客が家に帰って、何だろうって考えて、ああ、これでこの芝居は成功なんだろうなって(笑)。あと、最後、演出としてテーブルに最後にひとつだけ(お銚子と小鉢)が残る、ちょっとドキッとさせられました。私なんかは、すべて昇平君が見た夢なのかと思っちゃう。もともと一人だけだったのかと考えました。このお芝居は、もっとさめた感じで、怖いお芝居だと思いました。でも役者さんたちがほのぼのとしているでしょ。特に弟さんと妹さん(笑)。役者の与える印象と言うのはとても大きいから、なんとなくほのぼのとした芝居に思えますが、実は怖い芝居だなと思いました。    Topに戻る

 


アフタートークの写真が無いので開演前の受付の様子です(^_^;)

北芸「この道はいつか来た道」について
 私はすごく面白かったですね。私は別役さんはホンとして好きなんです。だけど、上演する勇気はないんです。別 役さんのセリフって、どう言えば良いのか手のつけられない感じなんです。案の定、これは東京で70年代80年代なんですけども、ほとんど失敗してました。別 役さん自身も失敗してました。あまりにも完成された戯曲は文学なんだと思って、演劇として成立しないと思って遠ざかった時期があって。今回は、私が観た別 役さんの中で一番面白かったです。ほんとに失礼なんですけれど、全然期待していませんでした。ここで最後に眠くなるようなつまんない芝居観て、率直にって言われてるから、「眠かったです」なんて率直に言いたくないじゃないですか。別 役さんとなると私、本当にドキドキしちゃうんです、人の芝居観ると。だけどこれは、もちろん笑えたし、切ないですね。是非東京でも観せて欲しいし、なぜ成立したのかを今日はお聞きしたいなと、観ながら思ってました。加藤さんも良い加減に、いい加減じゃないですよ(笑)、良い加減に年齢を重ねていて。役者が演技をするんだけれど、その手口を感じさせないように居るっていうか、居るって事で何時間でも観るに耐えられる居方(いかた)って言うのが今日の舞台で観られたなって思いました。別 役さんが書かれた年齢とかにうまく合って、そして出てくるものなのかなって思いました。   Topに戻る


道東小劇場演劇祭について
 
半ば楽しみに、半ば心配しながら演劇祭に来ました。 やっぱり面白くなかったらどうしようと思いますからね。でも本当にお世辞とかじゃなくて、お世辞とかあんまり言えないので、本当にレベル高いなという気がしたんですよ。こういう難しい芝居を舞台にのせられるんだなって、今日の別 役さんの芝居なんか観るとさらにそう思いました。私も東京には知り合いがたくさんいます。演劇祭、私の知り合いには観て欲しいなって思いましたので、宣伝したいと思います。観客の皆さん、これからも演劇祭を応援してください、そして各劇団の方々、頑張ってください。
打ち上げの様子

集合写真です(^^)

 

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