創立30周年記念連続公演第二弾! 第51回公演
「夫婦善哉」 作 平田オリザ 演出 片寄晴則
2001年、記念すべき第1回道東小劇場演劇祭で上演。1ステージのみだったこともあり、再演を望む声が多く、4年振りの上演となります。 キャスト 桐山芳夫:富永浩至 広田佐喜子:上村裕子 桐山智子:坪井志展とき 2005年5月14日(土)午後6時開演 午後9時開演
5月15日(日)午後3時開 演 午後6時開演
5月21日(土)午後6時開演 午後9時開演
5月22日(日)午後3時開演 午後6時開演ところ 喫茶大通茶館(帯広市大通南6丁目 電話0155-25-7140)
前売 1500円 当日 1800円 (いずれもコーヒー券付き)
問い合わせ 劇団演研(電話0155-25-7140)
※アンケート集計はこちらより。
※上演パンフレットより。
※「新聞記事より」はこちらからどうぞ。(更新5.18)
※この公演は 財団法人 全国税理士共栄会文化財団 の助成を受けています。
全国税理士共栄会文化財団のホームページはこちらから(http://www.zenzeikyo.com/cata.html)
上演にあたって
片寄晴則
4年前の春、11年に渡り活動の拠点としていた演研芝居小屋が急遽取り壊しとなり、追いうちをかけるように団員の佐久間孝が交通事故で急死し、茫然と立ちつくしたまま創作への意欲など忘れてしまっていた時に、第1回道東小劇場演劇祭の演目として取り組んだのがこの「夫婦善哉」でした。初めての演劇祭の準備に加え、前述の状況下での、しかも短期間での稽古で、何をどう創ったのかよく覚えていないというのが正直なところなのです。(しかも1ステージのみの上演でした)
ですから、いつかは腰を据えてこの作品に再度挑戦したいと、ずっと考えていた訳です。その後、「隣にいても一人」の再演、再々演で青年団の大塚洋氏に客演していただき、プロの役者の凄味を目の当たりにし、ずい分多くのことを学びました。共演した3人が大塚氏抜きで、吸収したことを今回の舞台でどこまで実践できるのか・・・今は私にとっても楽しみな稽古の現場です。
余計な事はせず、今自分がどんな状態でそこにいるのかだけを常に感じて舞台に存在できれば、あとは平田オリザ氏のすばらしい脚本が、次の高みへお客様や我々を導いてくれると信じております。
東京公演を前に、原点に戻るべく上演した「隣にいても一人」同様、お客様との濃密な空間を再現したいと思い、大通茶館での上演を決めました。狭い空間を苦痛でなく楽しさに感じていただけると幸いです。
2005年5月15日(日) 十勝毎日新聞より
帯広市内の劇団「演研」(片寄晴則代表)の創立30周年を記念した第51回公演が14日から、同市内の大通茶館(大通り南6)で始まった。節目となる記念公演の第2弾。人気劇作家の平田オリザさんの脚本による「夫婦善哉」を4年振りに再演した。
演研は1975年に設立した。1月には記念公演「忠臣蔵保育士編」を上演。夫婦善哉は2001年に道東小劇場演劇祭で公演して以来で、記念公演は22日までの計8回にわたって上演される。
夫婦善哉は小料理屋の主人と家出した妻、その妹の3人が織りなす、ごく日常的なストーリーで、食卓風景を中心に夫婦、姉妹間の複雑な心情を巧みに表現している。
同公演は入場35人限定で開催。観客は舞台で繰り広げられる同劇団の感情豊かな演技に引き込まれていた。50代の女性は「日常生活を感じとても印象的だった」と感想を話した。
2005年5月11日(水) 北海道新聞朝刊より 帯広市内の劇団演研(片寄晴則代表、十人)が今年で創立三十周年を迎え、十四日から記念公演「夫婦善哉」を市内の喫茶店で開く。片寄代表は「最前列の観客と出演者の距離は一メートル。出演者の息遣いが伝わるような舞台にしたい」と意気込んでいる。(鬼頭良幸)
喫茶店を会場に「夫婦善哉」
演研は一九七五年、片寄代表ら帯三条高演劇部OBを中心に設立された。質の高い芝居を追求し、週二回の練習では柔軟体操や発声など基礎からみっちりこなしている。
設立当初は学生運動や太平洋戦争など社会的なテーマに取り組んだが、最近は「個人の内面を描き、人間の存在に迫れるような舞台を目指している」(片寄代表)という。親交のある劇作家平田オリザさんからも高い評価を受けており、二〇〇三年には東京公演を果たした。
記念公演は四回に分けて行い、今回は一月の「忠臣蔵保育士編」に続く第二弾。
大通南六の喫茶大通茶館を会場に、十四、十五、二十一、二十二の四日間の日程で、夫婦と妻の妹が登場し、男女三人の微妙な心情を描く「夫婦善哉」を上演する。
同店は十五畳ほどの広さで、観客の定員は三十五人。出演者の表情が間近でうかがえ、片寄代表は「帯広でおもしろい劇団がある、と知ってもらえるように大切に演じたい」と張り切っている。
2005年5月6日(金) 十勝毎日新聞より 14日から30周年記念第2弾
「夫婦善哉」を再演創立30周年を迎えた帯広市の劇団「演研」(片寄晴則代表)が、14日から始まる記念公演「夫婦善哉」に向け、けいこに打ち込んでいる。劇作家、平田オリザさんの脚本で、4年前の公演以後、再演希望が多かった作品。市内の大通茶館(大通南6)にこのほど団員9人が集まり、緊張感漂う舞台に、せりふや演技指導の声が飛び交った。(安田義教)
「内面リアルに伝われば」
物語は小料理店を営む男と家を出た妻、その妹をめぐる三角関係が描かれている。4年前にも演じたが、公演前までの準備期間が短かったり、劇団のホームページ上でのアンケートで再演希望が多かったりしたことから、再び取り上げた。前回と同じく上村裕子さん、坪井志展さん、富永浩至さんの3人が出演する。
照明や音響を加えた初げいこは、全体を通して行い、流れをつかんだ。息の合った3人芝居を続けながらも 、片寄代表の「ちょっと待って」の声で演技が止められ、せりふの間の取り方や心情描写、照明の演出などを確認した。
小料理店の男を演じる富永さんは「3人の関係など内面的な表現がリアルに伝わればいい」と抱負を語り、片寄代表は「前回公演の後にプロとの練習をして学んだことがある。どれだけレベルアップしたか見てほしい」と話している。
2005年5月1日(日曜日) 十勝毎日新聞より 小劇場と芝居にこだわり30年帯広を拠点に活動する劇団「演研」(片寄晴則代表)が今年、創立30周年を迎えた。「活発な日常活動を持続することにより、地域に根ざした創造活動を!!」を旗印にスタートし、1月には公演回数がちょうど50回となった。節目に当たり30周年記念連続公演として4回の公演を開くほか、記念企画も行う。現在は、今月14、15,21,22日に開く公演第2弾「夫婦善哉」に向けてけいこを積んでいる。劇団の代表、そして演出家として団員を率いてきた片寄さんに。30年間の活動や今後の目標などについて聞いた。
(文・安田義教、写真・折原哲也)
真剣に向き合う
ー劇団創立のきっかけは。
地元のアマチュア劇団で活動する中で、何か飽き足らないと感じる仲間が何人かいた。 生活の一部で芝居をやろう、仲良し劇団ではなくて芝居に真剣に向き合おうと考えて、集まったのがきっかけ。ー30年間の活動を振り返っては。
よく続いたなという感じ。第1回公演はホールで開いたが、その後は小劇場にこだわっている。芝居はせりふの行間にどういう感情を込めるか。音響や照明の効果など本番の中で発見があり、実際にやらないと分からない面がある。(右上へ)
観客が400人入るホールで1回だけやるよりも、40人が入る小さい劇場でやれば10ステージができ、内容を練り上げることができる。音が入るタイミングや明かりのともし方も演出の範疇になるので、小さい劇場だとそこで深い表現ができることが分かった。文化活動をやっているつもりはなく、自分たちの道楽で身銭を切ってやってきた。大事なのは、生活の上に楽しみがあり、どう伝えられるか。平田オリザさんとの出会いは転機になった。
ー 現在の地方の劇団の状況を どう考えるか。
芝居は地方の時代だと思う。東京だけでなく北九州や京都などにも、いい芝居をしているところがある。東京に一極集中しているわけではない。確かに、バブル期以降は観客が停滞している。(右上へ)
一般の地方のアマ劇団だと、各職場で演劇をやりメッセージ性が強いものを扱っていたが、時代が変わった中で今後どう生き残っていくか。東京か地方かではなく、新しい演劇の方法論をどう確立していくかだと思う。
お菓子のように
ーこれからの目標は。
この10年間は、この芝居が最後でもいいという気持ちでやってきたので、やめても悔いはない。芝居は、まだ一般の人が知らないマイナーな世界。名前が売れればいいというわけではないが、豚丼やお菓子のように、「帯広には演研というなかなかいい劇団があるよ」と、観光客や一般の人に言ってもらえるような存在になりたい。