座談会はいよいよ第一回演劇祭についてです。今だから言える話がぽんぽん飛び出しました(^^)。
はい、お楽しみに!
第1回演劇祭について
富永:さて、ここからは、今まで6回の演劇祭のそれぞれの思い出を話してもらいたいんですが、まずは1回目。口火を切りますか、松本さん。
松本:楽しかったですよね、純粋に。自分たちが演劇祭をやるんだということが。それで結果、どうなるか着地点が全く分からなかったのですが、まずお客さんが本当にしっかり観てくれたし、アフタートークが面白かったですね。
富永:ああ、鐘下(辰男)さん。
松本:1回目の鐘下さんは本当に面白かったな。
富永:鐘下(十勝出身。後輩なので呼び捨てになってます。失礼)は、多分、里帰りで来るわけじゃない。だからプレッシャーがあったと思う。あらかじめ台本を送っているんですが、それをめちゃくちゃ読み込んでいて、台本に付箋がいっぱい付いてたんですよ。
森田:ええ。
富永:で、北芸の時には、「このセリフはなかったですが、このセリフは・・・」って、なかったセリフの解説までしていた。(笑)
加藤:忘れちゃったんじゃないか。
森田:一番好きなセリフだったのにとか言われて。(笑)
松本:ああいうアフタートークっていうのは漠然としていて、どのようになるか分からなかったんですが、
富永:やったことなかったからね。
松本:ええ、それで中央で、第一線で活躍されている方から批評されることは純粋に面白かったですね。そこで、鐘下さんは、僕たちがこれまでやってきたことだとか、この演劇祭にかける思いなんかを、アフタートークで語ってくれたので、本当にありがたかったです。衝撃的でしたね。
富永:ああ、なるほど。
松本:大体、僕らみたいな若輩者の集団が、こんなおじさんたちの集団(笑)と一緒にやるってことが、肩並べてやるってこと自体どうかなって。まあふた開けてみれば、2集団が僕らに追いついてなかったっていう。(笑)
富永:たいしたことなかった。(笑)
松本:はい、ここカットですよ。(笑)
中村:公演順は、釧路からでしたっけ?
富永:いや、動物園から。
松本:動物園が一発目にやって、北芸、演研。
富永:いや、なんせリハーサル時間が一番とれるのが、土曜日だから、そこは動物園。
加藤:日曜の昼だね、僕ら。
富永:そうです。
松本:僕ら、一番おいしいところをとって、さあ終わった、あとは飲むだけだって。(笑)
富永:土曜日にやる劇団はいいんだよね。次の日は何もないからね。
片寄:5回目の演劇祭、おれたち一発目だったでしょ。こんな楽していいのかと思った。(笑)
富永:森田さん、何かありますか?
森田:やっぱりそれですよね。一番の思い出は、セリフを忘れたこと。(笑)紅茶を飲んで、ああおいしいわ、これって思ったら、セリフが出て来なかった。
加藤:あれの時は、おれと森田だったっけ。
富永:そうですよ、「眠っちゃいけない子守唄」です。
森田:この時の舞台が3回目なんですよ。「眠っちゃいけない」は。
富永:あ、演劇祭でやったのが。
森田:97年が初演で、その後再演をやって、その後だから。3回目。だから、慣れてきて、セリフ忘れたんだわ。(笑)
富永:(笑)気が抜けて?
森田:あそこは魔の時間なんですよ、ずっと緊張してやっていて、紅茶を入れて「ミルクティーですよ」と言いながら、飲むでしょ。
加藤:オレが抜いたのか?
森田:いえ、私が抜いたんです。すいません。(笑)
加藤:やっぱりね、あそこでやって一番は、その前から演研を観に行ったりして、一番強いのはね、演研がお客さんをね、口幅ったい言い方かもしれないが、育てている、お客さんとの関係をちゃんと作っている。そしてさっきも言ったけど、お客さんがちゃんと観てくれる関係になっているっていうのが、すごいなと思う。3劇団とも同じ感じで観てくれて、しっかり感想を言ってくれるっていうのは、釧路との比較でも全然違うと思う。それが一番嬉しく、やっていても楽しかった。だから次も次もいけるなという気がしたんだ。最初にも言ったけど、シンポジウムで、僕らは観あっていますよって、具体的な交流をしているんだということがあると思う。ネットワークの主体になってくれている演研の考え方、やり方が濃いものだし、ずっと続いていければと思った。
富永:はい。
加藤:それと、僕ら釧路でやっているんだけど、釧路の他の劇団との関係が出来ていないんですよ。未だにそうだけど。
富永:でも釧路は、横のつながりみたいのはあるんじゃないですか。劇団協議会みたいのがあって、
加藤:協議会はあるんだけども、ちょっと感想というか批評をしたりすると、反発というか、単純に言われるのが嫌だ、みたいな感じがあるだよ。だからだんだん観に行かなくなる。だから、こういう関係で芝居を創っていくというのが大事なんじゃないかな。
富永:なるほど。中村さんは何かありますか?
中村:思い出すのは、打ち上げの時の人数の多さですね。
富永:ああ、それはそうだね、三劇団集まっているんだから。
加藤:お客さんもずい分残っていたよね。
富永:メガストーンでやったんでしたっけ?
片寄:やっていない。一回目だけ居酒屋でやったの。
富永:その時は、お客さんはいなかったね。
片寄:お客さんがいたのは、2回目から。残りたい人もいるだろうからっていって、メガストーンで準備してやった。
第一回道東小劇場演劇祭、アフタートークの様子。司会は大久保真氏(札幌)が務めました。