さて、わが道東小劇場ネットワークもチーム力で、すばらしい演劇祭にしましょう!
ということで、座談会、テンポ上げていきます。
(劇団動物園、佐藤菜美)
第1回演劇祭のつづき
富永:第1回目の演劇祭ですが、他に印象に残っていることはありますか?
松本:打ち上げの時に、初めて片寄さんの目の前に座って、2人でウォンウォン泣きながら、語ったのを覚えてますね。
富永:それは何で泣いていたの?
片寄:いやだから、うちの状況からすると、小屋が無くなって、佐久間が死んで、どうしようかって言う時に、あのまんま立ち直ることが出来なかったのかもしれない、それは。演劇祭をやることに決まっていたから、意地でもやらなきゃならないってやった。そして演劇祭が成功したというか、よかったから、これをやることになっていたお陰だって。忘れもしないけど、大悟と菜美ちゃんがいて、三人だったの。三人で泣いていた。
富永:覚えてる?
佐藤:なんとなく。で、富永さんが「こいつら泣いてる」って。(笑)
富永:ちゃかしてた。(笑)俺、そういうタイプだからね。
中村:我々もその時、団員が三人でしたし、自分たちだけでは出来なかったし、帯広公演は。ぞんちゃん(福澤)にも手伝ってもらったし。お互いにスタッフやりあえるというのは、大きな感慨があったと思います。
松本:初めてでしたよ、他の集団のスタッフをやるのは。
片寄:それはお互いに、全然手伝ってスタッフをやっているつもりではなかったでしょ。三つの劇団で、三つの芝居を創っていた。まるで自分の劇団の公演のように、他の劇団のスタッフをやっていた。それがすごく楽しくって。こうなったのは、やっぱりその前の十年間の交流があったからだと思うし、我々は道東小劇場ネットワークという一つの劇団のような一体感を持てたことが、嬉しかった。それもあって泣いたんだけど、その後は泣いてませんからね。(笑)
富永:みんな、大通茶館の2階に泊まったんだよね?
片寄:そうそう。
富永:そうか、それで、その後大通茶館に帰ってきて、あの大通のど真ん中で「俺はもう死んでもいい」って。大通のど真ん中で大の字になったのか、覚えてます?
片寄:覚えてるよ、俺と坪井で。
松本:片寄さんだっけ。馬鹿なことしていた人がいたけど、あれ片寄さんか。
片寄:そう、大通で大の字に寝た。
松本:一回目は大成功でしたよね。
富永:なんか一体感があったよね。終わった時に成功だ、という感じがしたものね。
片寄: さっき言ったけど、我々の立場からすると、ちょっと存続というか、どうなるか分からないなかで、終わった時にいろんなことが去来したし、やっぱりやっていて楽しかった。一番は、鐘下のアフタートークだったと思うね。あれを聞いて、それ以降はアフタートーク楽しみで来るお客さんがすごく多い。鐘下の話はとても面白かったし、特に動物園には具体的にすごくダメだしをして、演出してもらったわけでしょう。(笑)
松本:うちは、鐘下さんと大塚さん(青年団の俳優、第2回演劇祭で演研に客演)ですね。お二人の言葉がすごく大きかった。鐘下さんは演劇祭のこれからということも語ってくれましたね。こういう方向性でやった方がいいんじゃないかとかね。
片寄: 土台が出来るまでは他は入れないで、自分たちだけでやりたいなって、思っていて、そこに鐘下が「道東小劇場演劇祭に参加するってことが、一つのステータス になるように質を落とさないように、他はしばらく入れないで、三劇団でやった方が良いよ」って言って、我が意を得たりと思った。僕たちは三劇団とも既製の脚本で、きちっとした芝居をやっている。オリジナルをやっているところは、なかなか、
加藤:片寄さんが既製できちっとやるって言っていることが、案外理解できないってことがある。それは、オリジナルの方がいいに決まっているじゃないか、という考え方があるからあるからね。
松本:結局、作家性か、演出力かって、話になりますよね。
加藤:芝居そのものの充実を、オリジナルにせよ、既製にせよ、ちゃんとやろうよということだと思うんだけど。
松本:そこですよね、言いたいことは。
加藤:それは、僕らは一生懸命やっていたんじゃないかと思う。ただ僕ら、今一回目の時に、お互いのスタッフをやったという話だったけど、北芸は出来ないってこともあって、外回りを。(笑)
片寄:寒いのに、外で駐車場の誘導をやってもらった。
富永:そうそう、メガストーンの前の駐車場は、使えなくて、ちょっと離れたスーパーの駐車場に止めてもらって、誘導したんだ、お客さんを。
加藤:それを一生懸命やったんだよね。
片寄:一番、夜の寒いときに、肉体的一番大変なときに、一番歳の集団に・・・(笑)
加藤:でも僕らにしてみれば、それしかやることがないし。(笑)そういう意味では一体感があったよね。
松本:今度の演劇祭は、なにがしかの負荷がないとダメですね。楽になっちゃているから。
富永:今は、客席を作る必要もないわけだしね。