はい、第2回目の続きからです。下の写真、動物園のアフタートークは全員出てたんですね(^^)。
第2回演劇祭のつづき
富永:それで、動物園は、何か思い出があります?
松本:動物園は、菜美ちゃんが演劇祭で女優をやりました。(笑)何か楽しいことありました?
佐藤:楽しいこと?
富永:菜美ちゃんは、いつ動物園に入ったんだっけ?
佐藤:入ったのは、96年です。
富永:じゃあ、この時は6年経っていたんですね。で、それまでに舞台は何回くらい立っていたの?
佐藤:1回ですね。
富永:あ、「グリーンルーム」だ。そうか、6年いて、2回目の舞台だったんだ。
加藤:何やったんだっけ?
佐藤:「東京大仏心中」です。
富永:竹内さん(竹内銃一郎)のね。それ、竹内さんが演出して、佐野史郎と中川安奈の2人でやったのを、坂手さんが観たって言ってましたね。
松本:そう、素直につくったらこんなにいい話だったのねって。(笑)
富永:竹内さんはわざと分かり難く、分かり難くつくるからって、言ってましたね。
佐藤:一回目の時はスタッフだったので支える側だったんですが、それが一転して舞台に立つ側になって、すごく緊張もしたんですが、お客さんの空気をどーんとストレートにもらって、これかって感じはすごく覚えています。
富永:なるほど。
佐藤:お客さんが助けてくれるっていう感じを実感しました。
松本:うちは北見で初めてやって、それを片寄さんに観てもらって、アドバイスをもらって、つくり直して、それでお客さんに観てもらって、また変わっていって、随分自分たちの中でも変わっていったという印象のある作品でした。
加藤:帯広は何やったんだっけ?
富永:「隣にいても一人」です。僕らは、話すと長くなりますよ。(笑)
先ほど第一回目をやる時に、青年団の舞台上舞台の作り方を教えてもらったって言いましたが、青年団の幕別公演の時に、佐久間さんが亡くなって「隣にいても一人」が出来なくなったことを話したんです。その時に、あれは、平田さんが言ってくれたんですよね、青年団の役者を使ってやったらいいんじゃないかって。
片寄:打ち上げの席で平田さんが、やりたい人って言ったら、結構手を挙げてくれて。俺はその時、うちの団員はやりたがっていたけど、俺は、そんなプロの役者を素人が使うなんてことは考えられなかった。ありがとうございますって言ったけど、やる気はしていなかった。
富永:まあ、ちょっと考えられないですものね。
松本:今でも考えられないですよ。
片寄:ただ、富永たちがやりたいって言ったんだよ。
松本:すごいよね。うちで言えば、僕がイヤだって言うのにこの2人(中村、佐藤)がやりたいって言うことでしょう。すごいよね、きみら。(笑)
富永:でも、来てくれるって言うんだから。そんなこと有り得ないでしょう。
松本:有り得ない!
富永:でしょ。それを、来てくれるって言うのを断るのはおかしいじゃない。
松本:でも、勇気あるよね。
片寄:それは役者だからだよ。役者と演出の立場は違って、
富永:ああ、それはそうですね。
片寄:演出は、役者がどんなに上の人でも、それ以上に、上にいて作品を創っていかなければならないんだから。これは・・・と思って。大変だったね。
富永:それで大塚さんに来てもらって。
加藤:大塚さんの前に、やっているよね。
片寄:はい、それは初演ですね、佐久間がやったの。演研芝居小屋で。
加藤:俺、それを観てるね。
片寄:はい、観に来ています。
富永:それで、大塚さんはちょうど佐久間さんと同じ歳だったんですよね。だから、大塚さんに来てもらいましょうって、言ったのを覚えています。まあ、何せ二回目は大塚さんに来てもらったということが、大きかったです。最初に読み合わせした時に、なんて言うかな、その・・・
松本:プロだなって感じ?
富永:まあ、あまりプロ、アマって言うのもあれだけど、それを生業にしている人としていない人の覚悟の違いっていうのは、すごいなって思った。最初の読み合わせで、すごくショックを受けた記憶があるもの。
加藤:いや、向こうは向こうでやっぱりさ。
富永:そうそう、あとで聞いたら、大塚さんもかなり緊張したって言ってましたね。(笑)
片寄:それと、青年団の役者さんだから、僕らの感覚だと、青年団風の芝居と思ってたでしょう。その時はよく知らなかったけれど、大塚さんは元々他でやっていて、あとから入った人だったんだよね。
富永:安部公房スタジオにいたって言ってましたね。
片寄:あまりにも青年団的な芝居じゃないので、どうしようと思って、演出として。あそこまでのレベルに、みんなを上げるというのは無理だし、この、役者のよって立つ土台の違いをどうしていこうかって、途方に暮れて、辛い思いをしましたね、最初は。
富永:まあ、それでも、稽古終わったら飲んで、終わったら飲んでを繰り返しているうちに、気心が知れてきて、作品も出来たという感じでしたね。そう言うのって、大事だよね。
片寄:二回目は、旭川から松井さん(松井哲朗氏)が観に来て、動物園の芝居を大絶賛だったね。
松本:ああ、言われた記憶があります。間違いなく君は片寄くんの子だねって。
片寄:僕らは、芝居のことより本の内容のことばかりを言われたね。
富永:まあ、平田オリザが書き下ろしてくれたってことで、どうしても本の話になっちゃうんだよね。まあ、坂手洋二は、とにかく本のことを言っていたね。
松本:坂手さんは、基本、本のことが多いですね。
富永:ああ、そうだった?
松本:そうですよ。うちらも本のことを言われました。やっぱり書く人だなって、印象がありましたね。