動物園の皆さん、頑張って下さい!
さて、座談会の方は第3回演劇祭に入りました。
こちら、会場となった今はなき「波止場の芝居小屋」です。
さてさて、どんなお話が飛び出したでしょうか?
第3回演劇祭について
富永:さて、どんどんいきたいと思います。3回目は会場が帯広ではなく、釧路になったんですが、あれはどうして釧路になったんでしたっけ?
加藤:「波止場の芝居小屋」があるんだから、ここでやったらいいんじゃないかって、なったんじゃなかったか。
松本:あれで(波止場の芝居小屋が)サヨナラですよね。
富永:いや、違いますよね。
加藤:いや、サヨナラではないんだけども、サヨナラかも知れないって、言われたんだよ。
富永:ああ、そうか、それがあったのか。もしかしたら、もう芝居小屋が無くなるかもしれないから、「演劇祭」をやりましょうってことになったのか。
森田:1998年に出来て、5年ですからね。
松本:まだ動物園は持ち小屋なかったので、持ち回りってことで言えば、北見は無理なので、釧路でって。
中村:その時点で、東京公演は決まっていたんですか?
富永:はい、平田さんから「道東小劇場演劇祭」を東京でやらないかって言われて。
中村:最初から釧路と東京でやることになっていた。
富永:そうですね。セットでやることになっていた。
松本:それで木野花が来たんですね。
片寄:まあ、第3回はとにかく地震ですよ。
松本:本当にそうですね。
富永:地震で中止とか、頭になかったですよね。釧路まで行ければ、出来ると思っていた。冷静に考えれば、あんなに大きな地震があったんだから、演劇祭やっている場合ではなかったかもしれないけど。自粛しようという様な感覚が全然なかったじゃないですか。
松本:いや、無かったですね。
加藤:いや偶然かもしれないけど、何も小屋に影響がなったんだよ、あの地震は。機材一つ壊れてなかった。
松本:あの近辺、結構すごかったよね。
富永:そうそう、港のそばだから津波がくるとか言ってって、のりちゃんに出来るの?ってメールしたら、今警戒区域になっていて立ち入ることが出来ないって返事が来た。
加藤:うん、最初はね。
中村:周りの家の壁が崩れてましたよね、芝居小屋の近くの。
富永:いや、国道も、途中の道路で路肩が崩れてったよ。前の日に釧路入りした大久保(アフタートークの司会)は、国道が通行止めになっていて、ぐるっと迂回して行ったからね。
中村:苫小牧では、コンビナートで火災があったし。
富永:へー。リハの時も、ぐらぐら揺れたもね。何回も余震があって。
片寄:揺れた、揺れた。
富永:よく本番中、揺れなかったよね。
松本:いや、動物園のとき揺れましたよ。
富永:あ、そう。アフタートークの時に、ぐらっと来た記憶はあるけど。
片寄:いや、動物園の芝居で「地震が来たら」ってセリフがあって。
松本:そうです。その時に、「地震来たら、俺は一番最初に好きなもの食べるタイプです」、「いや、俺は最後までとっておくんだ」って後のシーンでぐらっと来たんですよ。それで、全然関係ないシーンでお客さんがどっと笑って、僕らは一瞬固まって。
富永:あ、そう。(笑)
松本:これは参ったというのを、覚えてますよ。
木野花さんを囲んで。このとき皆、一緒に写真を撮ってもらいましたね(^^)。
加藤:あの時に、木野花がすごく構えてたね。
松本:そう、構えてましたね。
富永:まあ、知らないところに来るんだからね。
加藤:いや、別役実をやるって言った時にね、「これ、観たあとに何を言えばいいの」って。
松本:一番最初に言ってましたよね、打ち合わせの時に。最初に、「あの、どこまで話したらいいの?アフタートークで」って。
富永:そう、そう「みんな楽しい雰囲気でやっている時に、厳しいことを言っても場違いだから、どのスタンスで言ったらいいの?」って。
松本:で、片寄さんが「思ったことを言って下さい。何でも結構です」って。(笑)
加藤:特に別役実をやるってことになっていたから、別役さんの芝居なんか、
松本:別役の芝居は失敗すると思ってたんでしょうね。
加藤:別役の芝居をやるのを見たってしょうがないんじゃないかっていう気があったんじゃないかな。それが印象に残っている。
富永:ああ、そうでしたか。
加藤:だから、僕も茶化ながらじゃないけど、「今日やらなきゃいけないから、じゃあセリフを覚えます」って。(笑)
松本:わははは。(大笑)ここ、使えますよ!
中村:それがトリでしたものね。それと黒テントの人たちも(黒テントの釧路公演を)終わって、来てましたよね。
富永:そうです、そうです。満員だったもの、超満員でしたね。
森田:ご苦労かけましたね。
片寄:あのね、一応、舞台監督を僕がやっていたでしょう。客席どれくらいつくるかって聞いた時に、北見や帯広と同じくらいだって言うから、そんなことないでしょって、これが小屋の最後かもしれないって言ってるわけだから、そんなわけないでしょう、いくら地震でもお客さんもっと来るんじゃないのって言ったら、森田さんが、「いやいや、大丈夫、大丈夫、来ないから」って言って、そうしたらお客さんどんどん来るし。それでも俺あの時に、もしかしたらお客さん来て、座布団足りなくなったら困るから、みんな自分の車から座布団を持ってきてって、言っておいたんだよ。それが正解で、桟敷席を一列足して、また一列足してで、ぎゅうぎゅう詰めだったんだよ。
松本:僕最前列で観ました。もしかしたら観られないかもしれないって言われて。
佐藤:私は立ち見で、それも物陰で声しか聞こえない位置で観てました。
(つづく)
初日、打ち上げの様子。