演研アフタートーク

演研「夫婦善哉」アフタトークの一部です。

IMG_2462.jpg右より、松本大悟(司会進行)、前田司郎氏(トークゲスト)、片寄晴則(劇団演研代表、演出)

松本:後ほど、演劇祭の感想なども伺いたいと思うのですが、さて、お待ちかね、皆さん。今の、演研のお芝居の感想を伺いたいと思います。

お昼に、劇団動物園、こてんぱんにやられましたから。(会場笑)

いや、こてんぱんというのは、良い意味ですよ。ちゃんと思いを伝えてもらいましたから。(笑)

では、お願いします。

 

前田:富永さんとずっと話していたので、ああいうガハガハくる感じの芝居なのかなと思って。(会場笑)
ええ、そうしたら、すごい繊細な芝居で、ボクは好きでしたね。
上村さんの芝居がちょっとキレイ過ぎちゃって。
台詞がすごくキレイだったんで、語尾の置き方とかもキレイで。
そうするとキレイというのは、洗練されてくることになると、ノイズが入っていない言い方になって、そのノイズに実はいろいろな情報が入っていたりする。
俳優が、自分で鍛えていくとどうしてもきれいな方きれいな方へいってしまうんだけど、実はキレイな方を目指すというのは、ほらどうしても美人って、似てきちゃうじゃないですか。
韓国とかだと整形が流行ってますけど、みんな同じような顔に整形しちゃって、そうすると良さが分からなくなってしまう。
台詞もあまりキレイだと、そこに入ってくるべき情報が、入って来なくなってしまう。
だから、本人の生身の部分が見たいのに、それが見えなくなっちゃって、それがもったいないなと思いました。



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これは戯曲の問題かもしれませんが、暗転がいただけないなと思いました。

せっかく芝居に入っていこうとした所で暗転が入ってしまう。

それが結構長くて、音楽が入って、それで一回リセットされてしまう。

そこが、暗転をもっと短くするべきか、戯曲の方をいじれるんだったら、暗転の数を減らした方が良いと思うし、下手したら、無くても良いという気がしました。

あと、暗転に行く前の台詞とかが、何場目か忘れましたが、「由美が死んだからだよ」というような、結構センセーショナルな発言を男がする所があって、とてもインパクトのある言い方をしていました。

それだと、そこで一回芝居が終わってしまった印象を受ける。

あそこは、それほど印象づけずに、ぼそっと言う感じにして、お客さんの中にそれが残っているまま暗転に入れば、暗転の間が持つんですけど、割と強い言い方をしてしまったんで、その後の暗転が厳しくなる。

結構、そういう局面が色々ありました。



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